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米国法人向けサービス
米国税務申告
米国の各種税務申告業務を、ビジネスの状況に応じて柔軟に対応いたします。開業間もないスタートアップ企業、おひとりで小さく展開されている企業、レストランや不動産屋さん、数百人規模の従業員を抱える企業、日米で親子関係にある企業など、大小問わず幅広くサービスを提供させていただいております。
お客様にとってベストな状態は何であるのかを考えた上で、必要な部分でお手伝いさせていただくようにしております。
米国の一般的な税務情報
連邦法人税
アメリカの法人(非課税法人を除く)はForm 1120と呼ばれる連邦法人税申告書を年に一回、IRS(米国歳入庁)に提出する義務があります。Form 1120には申告期日が定められており、課税年度終了後4ヶ月目の15日となっています。日本の企業で一番多い3月決算(3月課税年度末)を例にすると、申告期日は7月15日になります。期日に間に合わない場合、申告期限はForm 7004という延長申請書を出すことで延長することが可能です。
なお、アメリカには法人とは異なる事業形態、パートナーシップやLimited Liability Company (LLC) などがあります。パートナーシップやLLCは法人税の納税主体ではなく、メンバーや各パートナーに損益が配分され、個人レベルで課税を受けます。LLCの場合はForm 8832を提出することで法人として課税を受けることができます。つまりLLCでも税務上の法人としてForm 1120を申告することになります。
弊所では事業規模や業種、今後の事業展開を考慮し、お客様に合った適切な会社の事業形態を選び、運営に必要な各種ビジネスライセンス、法人登記など会社設立にかかわる全てのことをサポートをさせていただきます。その後の経理、確定申告もお任せください。
連邦法人税の税額計算の概要
米国では、各州の会社法に日本のような計算規定がないので、企業は年に一度、決算を行うことだけが定められています。従って米国では、法人税と会計基準の会計処理が異なることがあり、損益認識のタイミングがずれるケースが頻繁に見られます。例えば、減価償却方法は、会計上と税務上では異なることがあります。米国での法人税の算出は、Gross Income (総益金) から Deduction (損金) および Loss (損失) を差し引いて計算された Taxable Income (課税所得) に税率をかける方法をとりますが、財務会計上とは別に、税務上の処理基準を採用することになります。
連邦法人税率(2018年 ~ 現在)
2017年12月22日、トランプ大統領の署名により、税制改正がなされ2018年1月1日から法人税率は累進課税が廃止され一律21%の税率となりました。それに加えて法人代替ミニマム税(Alternative Minimum Tax: AMT)が廃止されました。代替ミニマム税とは高所得者・高所得企業の税控除や減税措置を制限するために創設された制度です。また代替ミニマム税の廃止により21%を超える税率で課税されることがなくなりました。
予定納税 (Estimate Tax)
通常、当期の見込み税額が$500以上になる法人は予定納税を支払う必要があります。課税年度がカレンダー年の法人の場合、課税年度の4月15日、6月15日、9月15日の四半期ごと4回に分けて税金を納付する必要があります。予定納税の金額が最終的な申告による税額を下回った場合、その不足分に関してペナルティーが課せられます。前年度の申告税額の100%を予定納税した場合にはペナルティーを回避できます。予定納税の計算方法は法人の規模や形態により異なりますが、通常IRSが定めた年次換算法により納付額を計算します。正しい手順を踏まず、予定納税の額が過少納付となった場合は、ペナルティーや延滞利息の支払いとなるので注意が必要です。
カリフォルニア法人税(Franchise Tax又はIncome Tax)
アメリカでは連邦法人税のほかに、州の法人税も支払う必要があり、複数の州でビジネスをおこなっている場合は州ごとに法人税を申告する必要があります。法人税率は州ごとに異なるため常に注意する必要があります。カリフォルニア州のC Corporation(株式会社)の法人税率は8.84%で、連邦法人税と同様に、予定納税を四半期ごとに納付する必要があります。カリフォルニアの場合は利益がマイナスでもミニマムタックス$800を納付する必要があります。会社を設立した初年度にはこのミニマムタックスは免除されます。
法人がその州で課税対象になるかどうかはネクサス(NEXUS)の有無により決まります。ネクサスとは事業関連性という意味ですが州によりネクサスの定義は異なります。簡単な例だと、州内にオフィスを構えて従業員を雇用している場合や、資産を保有している場合はネクサスを有していることになり課税対象になります。 複数の州にネクサスがあり、それらの州の課税対象となる場合は、法人の所得を各州に配賦(Allocation または Apportionment)する必要があります。各州への所得の配賦方法は州によって違いますが、収入、資産、給与の 3 つの要素を使って配賦計算をするのが一般的な方法です。
カリフォルニア州の場合、同州に帰属する所得は、以下のように決定されます。
- 所得を事業取得と非事業所得に区分する。
- 非事業所得に区分される受取利息、受取配当金、ロイヤリティー、キャピタルゲイン等については、配賦計算は行われず、納税者の主たる事業所在地や資産の主たる使用地にある州に全額割り当てる。
- 事業所得については、売上の配賦要素(Sales apportionment factor)のみについて計算をおこないます。総売上・所得に関する全社ベースの金額に対するカリフォルニア州に帰属する金額の比率を計算して、その金額を単純平均して配賦比率を算出する。この配賦比率を事業所得に乗じて、カリフォルニア州に帰属する所得を計算する。カリフォルニア州の課税対象となる非事業所得と、同州に配賦された事業所得の合計が同州の課税取得になり、これに税率をかけた金額が課税金額となります。
ユニタリータックス
ユニタリータックスとは、法律的には別の会社であっても事業の活動から見ると、 1 つの会社として行動しているとされる場合に、それらの会社をグループとしてまとめて課税しようという考え方です。この方法では、州の課税所得の算出を行う際、まず、当該企業の全世界の関連会社を含めた全企業の所得を合算して、その次にその合算所得の中のカリフォルニア州に帰属する部分を、全世界グループに占めるカリフォルニア企業の売上高、資産、給与の三要素の比率で割り出す方法で行われます。
一般的に、ある一定以上の株式の持分関係にある親子会社あるいは関係会社間で、管理の集中、人的および機能的統合がある場合に、ユニタリービジネスを行っているとみなされます。ユニタリービジネスとみなされ、カリフォルニア企業単体で見れば赤字であっても、全世界グループで利益を出しているため、その利益の一定比率分が自動的にカリフォルニアに配分され、予定外の納税と言う事態にもなりえます。このようなことから、全世界ベースのユニタリー課税方式の代替方式として、1988 年の税制改正にて、米国内のユニタリーグループだけの合算申告方式である水際選択(Water’s Edge Election)が認められました。その後 1993 年の改正により水際選択の規定が改正されましたが、この水際選択は、1度選択すると、原則その課税年度も含めて 84ヶ月(7年間)拘束されます。
基本的に、米国内企業が黒字で米国外企業が赤字の場合、または、全世界合算課税によって、カリフォルニア州に帰属する課税比率を引き下げることができる場合は、全世界ベースでの課税のほうが有利になります。そのため、水際選択の際には、今後7年間の全世界および米国内ベースの利益水準と、カリフォルニア州への配賦率を考慮し、水際選択を行うかどうかの検討が必要となります。
売上税・使用税
売上税とは、日本の消費税のように(厳密には異なりますが)商品が売買される際に売上に対して購入者(最終消費者)に課せられる税です。通常、カリフォルニア州での課税対象は有形の動産が広く対象とされていますが、無形のサービスについては課税対象にはなりません。
売上税は日本と違い、州政府、地方自治体の管轄なので、連邦政府からは課せられません。カリフォルニア州の売上税の税率は2021年現在7.75%ですが、地方自治体(市や群)からも売上税を別途課しています。売上税を負担するのは最終消費者ですが、徴収義務があるのは販売者になります。売上税を徴収する販売者は州税務当局にSeller’s Permit(販売許可証)と管轄当局(地方自治体など)にビジネスライセンスを申請し取得する必要があります。
使用税は売上税の補完のために設けられた税金で、州内での物やサービスの使用、保管、消費に対して課せられます。例えば、オンラインを通して他州の会社から物品を購入した場合や売上税が課せられてない物品に対して、カリフォルニア州に使用税を支払う必要があります。また、日本から物品を購入する際にも使用税の対象になります。使用税の支払いは原則購入者が納める必要があるので注意が必要です。
資産税
州や地方自治体が課税する資産税 (Property Tax) の対象資産は、州によって異なりますが、一般には、土地、建物に課せられる不動産税、什器備品、機械装置、工具などに課せられる動産税、フランチャイズ権や証券、売掛金等に課せられる無形固定資産税等からなっています。カリフォルニア州では、不動産課税と動産課税からなり、棚卸資産に対する動産税は、非課税となっています。
会計業務
QuickBooks
QuickBooks (クイックブックス) は米国の中小企業で幅広く使われている人気の会計ソフトウェアです。アメリカの中小企業で使われている会計ソフトウェアの80%のシェアを占められているとの調査もあります。QuickBooksは、オンラインバージョンとデスクトップバージョンの二つのタイプがあります。QuickBooksの活用方法についてアドバイスし、導入から運用まで、懇切丁寧にお手伝いさせていただきます。
QuickBooks導入
QuickBooksをインストールをし、必要な勘定科目の設定、顧客情報や取引先情報の設定、QuickBooks用の小切手の印刷の設定、銀行口座、給与用の口座、クレジットカードの登録など一括してお引き受けします。
QuickBooksトレーニング
知識ゼロの方から、すでにQuickBooksを導入しているお客様まで各種、経営に必要なデータの見方、仕訳の方法、必要な機能の操作方法をご案内します。
記帳サポート
ほとんどの中小企業のオーナー様は、 煩雑な記帳業務で時間を費やさずに、 本業に集中したいのではないでしょうか。かといって経理担当者を雇うには人件費・採用コストがかかります。経理を雇わずとも、当方で記帳業務をサポートさせていただきます。上記で説明した会計ソフトウェアQuickBooksを使い、お客様からいただいた資料を基に、毎月の経理事務処理、Bank Reconciliation(銀行勘定調整)、月締め作業、月次・四半期・年次決算での財務諸表作成のサポートをいたします。ただ記帳のサポートをするだけでなく、お客様ごとに最適な経費可能項目を精査し節税対策の提案も実地します。また、財務諸表を基に、会計、税務、経営にかかわるアドバイスも提供し、経理システムと業務の効率化を進めます。まずはお気軽にお問い合わせください。
ペイロールサービス
記帳業務のサポートと同様に煩雑な勤務管理、税務申告管理を代行いたします。ペイロールチェックの発行、税金の計算・納税、ペイロールにかかわる全てのことを代行し、それぞれのお客様にあった給与サービスを提供いたします。日本から赴任されてくる駐在員の特別な給与税計算、グロスアップ計算も承っております。
会社設立・法人登記
カリフォルニア州はもちろん、米国の他州の法人設立、法人登記を行います。起業と言っても様々で、必ずしも法人を設立する必要もないかもしれません。そんな基本的なところも含めてお話を伺い、じっくりとアドバイスをさせていただきます。
いざアメリカに法人を設立するということになりましたら、各種登録、定款の作成、ID(EINナンバー等)の取得などのサポートをさせていただきます。
法人税の申告書作成
法人税申告書作成 1,800ドル~
連邦・州の確定申告書作成、提出いたします。
会社全体の株の25%以上を外国人(法人)が保有している会社が、米国で確定申告をする場合、Form 5472で関連会社間との取引や株主情報について開示する義務があります。
必要な開示をタイムリーに行わないとペナルティは25,000ドルで、外国銀行・ 金融口座報告書 (FBAR) のペナルティは10,000ドルで、とても厳しいです。このようなことを避けるため、国際税務に精通した、専門家へ依頼されることをお勧めします。
記帳サポート
Quickbooksでの記帳をサポートいたします。作業量にもよりますので、料金は別途お見積いたします。
セールスタックス申告サービス
1回につき200ドル~
登記の料金表(法人)
1,800ドル~
1,800ドル~
登記する州により値段が異なりますので別途お見積いたします。
その他業務に関しましては、料金を別途お見積いたしますので、お気軽にご連絡ください。
カリフォルニアでバーチャルオフィス
カリフォルニアの住所をご利用いただき、届いた郵便物を管理いたします。
カリフォルニアでの法人設立(カリフォルニアでの起業・独立)
や起業に伴うビザ申請のために住所が必要な方、郵便物の転送先としてカリフォルニアの住所が必要な方にお薦めです。
月額45ドルから
業務に含まれるもの(すべて日本語で対応いたします)
郵便物を開封し、スキャンをしてE-mailにてご案内または指定の住所に転送すること
必要に応じて届いた英語のレターの内容を日本語でご説明すること
前月受領分の郵便物を翌月月初にお知らせ(5通/月まで)
日本への転送は実費 + 弊所手数料10ドル
とりあえずアウトソーシング
バーチャルオフィスを利用し、カリフォルニアの人材を活用し、日本にいながらカリフォルニアのビジネスをコントロールすることが可能です。
カリフォルニアで本格的に企業、移住を考えられている方には、日本語対応可能な移民弁護士さんをご紹介することもできます。
月額250ドルから(バーチャルオフィス代(45ドルから)も含みます)
バーチャルオフィスサービスと併用し、郵便物の管理をし、請求書や小切手の受取先としてご利用いただけます。
月額250ドルからでスタートできるので、カリフォルニアでビジネスを始めるのに便利です。
バーチャルオフィスサービスに加え、取引先からの請求書の支払、お客様から届いた小切手の銀行への入金もお手伝いさせていただきます。
給与計算
オーナーさん、従業員さんの給与計算をいたします。
月額180ドルから(5名まで)
別途初期設定費用がかかります。150ドルから
お客様のご要望に合わせた給与サービスをご用意いたします。
給与の自動振込、ペイチェックの送付等、柔軟に対応させていただきます。
従業員様ごとに個別の給与閲覧サイトをもつことも可能です。
それで、毎回、給与明細を配布する必要がなく、また、過去の履歴も自由に閲覧できます。
米国に駐在される方の給与のグロスアップ計算も承ります。
料金は別途お見積いたします。
米国個人向けサービス
米国居住者の方の個人所得税の申告書作成
米国にいらっしゃる方の確定申告をいたします。
米国永住者で日本に帰国される方の税務コンサルティングも承っております。
基本料金
追加料金
*自営業又は、不動産事業等をお持ちのお客様で、帳簿記帳をご依頼の場合は別途請求させていただきます。
( 作業時間当たり 200ドル、 但し 0.5 時間をミニマム時間単位とします。)
*郵送料 及び 郵送手数料は別途実費請求となります。
*追加フォームの作成につき 1 時間を超過する場合には、追加作業として1 時間当たり 200ドル 加算されます。
米国不動産税務コンサルティング
米国の不動産投資に関する税務コンサルティングをいたします。
日本在住の方へも、Skype、LINE、Messenger、メール等で対応させていただきますので、連絡はスムーズです。お気軽にお問合せ下さい。
米国非居住者の方の申告
弊所では、米国外在住の方の、米国での不動産にかかる税務、会計業務を得意としており、喜んでお受けします。
日本語対応可能な米国の不動産屋さん、不動産管理会社さんをご紹介することもできます。
最近、米国不動産売却の際、源泉税の納付に関連したトラブルを経験された方の話を多く伺います。
このようなことにならないよう、事前に代理人やエスクローと必要な税務手続きのすり合わせをすることも可能です。
また、米国で銀行口座開設のお手伝いもさせていただきますので、お気軽にご連絡ください。
非居住者の方の申告(個人)
所有物件2物件まで900ドル
3物件以上の場合、1物件につき150ドル追加
基本業務に含まれるもの
米国確定申告書類作成、申告書の提出、日本の会計事務所連携(メール対応のみ)
基本業務に含まれないもの
IRS、各州お問い合わせの対応(書類対応200ドル、電話対応は別途お見積いたします)
非居住者の方の料金表(法人)
法人(米国支店)で賃貸物件等をご所有の場合、不動産を所有される州ごとに、登録が必要です。
また、申告書では損益計算書だけでなく、貸借対照表も報告し、さらに情報開示も多くなります。
登記する州により値段が異なりますので別途お見積いたします。
法人顧問契約料
州への登録が完了できましたら、毎年の記帳、確定申告等、米国の会計税務をまとめてお受けいたします。
所有物件2物件まで
月額250ドルから(3物件以上の場合、1物件につき月額70ドル追加)
上記顧問契約に含まれるサービス
管理会社から送られてくる収支やその他経費をQuickbooksでの記帳をサポートいたします。
連邦・州の確定申告書作成、提出いたします。
御社の状況にあったタックスプランニングをカスタマイズして、最適な節税方法をアドバイスいたします。決算・節税対策については、日本の顧問会計士も含め打ち合わせすることも可能です。
米国税務、経理のご相談をいつでもお受けいたします。
・IRS、各州お問い合わせ対応(書類対応、200ドル、電話対応は別途お見積り)
・各州への年次レポートの提出
よくある質問
1. 納税場所
不動産所得に関しては、不動産のある国で優先的に課税権があります。日本お住まいの方、あるいは日本の法人が米国で賃貸収入があった場合、まず米国の課税計算方法にもとづき米国で申告、納税をします。その後に、日本の課税計算方法に基づき日本で申告、納税をすることとなります。アメリカでも日本でも税金が発生する場合、アメリカで支払われた税金に関しては日本の申告書で外国税額控除を取ることとなり、二重に税金を取られることは原則的にないようになっています。アメリカでの確定申告をしないで、家賃の30%の源泉だけで済ませる方法もありますが、納税額が多くなりすぎるので、ほとんどの方が申告・納税するほうが有利です。
2. 投資形態
アメリカに法人を作ってその法人名義で投資をするか、日本の法人のアメリカ支店として投資をするかの判断は、以下の要素を考慮する必要があります。
(1) 日本で米国不動産投資の減価償却のメリットを取って税金の繰延をしたいか?
(2) キャピタルゲイン狙いか?インカムゲインか?
(3) 日本の税金と全く切り離した形で投資をするのか?
(4) どの州の物件か? 等
※優先順位を考えた上で、具体的に、専門家に相談されることをお勧めいたします。
3. 申告・課税手続き
個人所有の場合、非居住者による米国不動産所得の連邦税の確定申告期限は、翌年の6月15日となっております。ただし、カリフォルニア州は4月15日、ハワイ州は4月20日で、確定申告期限が、連邦よりも早いので、注意が必要となります。
法人所有の場合、連邦税の確定申告期限は、決算月の5.5ヶ月後となります。また申告の際には納税者番号を取得する必要があります。カリフォルニア州は決算月の3〜5ヶ月後、ハワイ州は決算月の3ヶ月20日後です。
【申告書作成に必要な情報】
(1) 賃貸をされている不動産に関しての収支レポート
(2) ご購入された物件のエスクローペーパー(物件購入明細)
(3) 固定資産税の支払明細
(4) その他個人負担をされている費用(旅費、海外送金手数料など)
4. 日米の課税制度の違い
大きな違いは下記となります。
(1) 減価償却費の計算方法(米国では居住用が27.5年、商業用は39年での定額法による減価償却となります。)
(2) 不動産取得に関しての借入金にかかる支払利息(米国では建物部分に限定されず全てが経費対照となります。)
5. 州税
アメリカでは、国レベルだけでなく、不動産が所在する州に対しても、申告(納税)をしなければなりません。課税方法は、州によってかなり異なりますし、前述したとおり、申告書の提出期限も異なります。ニューヨークやカリフォルニアのように税率が高い州、また、州税が全くない州など、州により取り扱いが違います。
遺産税・贈与税
連邦遺産税
日本での相続税にあたるものはアメリカでは遺産税といいます。まずは日本の相続税とアメリカの遺産税の違いをみていきましょう。日本では相続税の支払い義務があるのは相続人、財産をもらう側ですが、アメリカでは被相続人、亡くなった本人が遺産税を納める必要があります。そして日本では課税される財産は相続人の取得した財産に対して課税されるのに対し、アメリカでは被相続人の財産を基準として課税されます。基礎控除額も日本とアメリカで異なります。日本の基礎控除額は3,000万円 + (600 万円 × 法定相続人の数) ですが、アメリカの2024年の基礎控除額は1,361万ドル (約19億円) になります。手続きとしてはプロベイト (遺産検認) というプロセスがあり、州の法律や遺言に則り財産の分配が行われます。このプロベイトは時間や費用がかかるため、これを回避するためにリビングトラスト (生前信託) を専門の弁護士に作成してもらうことも可能です。リビングトラストにより、遺産相続をスムーズに行うことができるので、専門家に相談されることをおすすめします。
連邦遺産税の申告
米国遺産税の申告は被相続人が税務上日本の居住者であるか米国居住者・米国国籍であるかによって異なります。被相続人が日本の居住者(米国非居住者)の場合、Form 706-NAという書式でIRS (内国歳入庁)に遺産税の申告をすることが必要になります。米国非居住者の課税免除額は60,000ドルで、財産の評価額の18%~40%が課税されます。アメリカ国内の遺産60,000ドル以下であれば申告の必要はありません。被相続人が米国居住者・米国国籍の場は、全世界に保有している遺産が1,361万ドルを超えた場合にForm 706という書式で遺産の申告をする必要があります。1,361万ドル以下であれば申告する必要はありません。Form 706-NAもForm 706も被相続人が死亡した日から9か月以内に申告をしなければなりません。Form 4768を提出することにより申告の期限を6か月延長することができます。ただし、税金の支払いは延長できないので、税金が発生する場合は、延長申請とともに仮計算した税額を納付する必要があるため注意が必要です。
Living Trust (生前信託)
カリフォルニアの州法ではアメリカにある遺産が10万ドル以上ある場合は、原則としてその遺産は裁判所の検認 (Probate) を受ける必要があります。被相続人が亡くなった時点で遺産は遺産財団に移転され、その遺言執行人、代理人あるいは管財人によって検認を受け相続人が確定し分配されます。一般的にこの手続きは弁護士に依頼をするので、弁護士費用がかかります。最低でもこの遺産手続きに半年はかかってしまいます。さらには被相続人が希望していた形で遺産が分配されないケースもあります。しかし生前信託を作成しておけばこのProbateを回避することができます。時間とコストを抑えて、被相続人が意図した形で相続が行えるようになります。
連邦贈与税
米国の贈与税は日本の贈与税とは違い、贈与した人が贈与税を支払います。贈与税の対象は米国非居住者が米国内の有形資産 (不動産、現金、ジュエリーなど) を贈与したときに課税されます。無形資産 (株式、債券、著作権など) は非課税になります。そして贈与する人、一人に対して2024年では年間で18,000ドルまでが非課税です。18,000ドルを超えた場合はForm709をIRSに申告する必要があります。贈与した翌年の4月15日までに申告する必要がありますが、Form 8892を提出することにより申告の期限を6か月延長することができます (Form 4868を提出して確定申告の延長申請をしている場合、Form 8892を提出しなくても自動的に6か月延長となります) 。学費や医療費、政治団体への贈与は18,000ドルを超えた分も非課税になります。日本の居住者が18,000ドルを越えるアメリカの不動産を、日本に居住してい息子に贈与した場合、贈与した本人はアメリカでForm 709を申告する必要があります。日本の居住者である親がアメリカの居住者である子供に日本の財産を贈与した場合、米国居住の子供は贈与額が10万ドル以上であればForm 3520という書式でIRSに贈与を受けたという報告をしなければなりません。一方で、米国居住者・米国国籍の方の場合、贈与税・遺産税の生涯非課税枠があり、贈与を上記の非課税枠 (18,000ドル) 以上で行った場合の累積金額と、死亡時の相続金額の合計額の非課税枠が米国の連邦税制ではあり、2023年度の金額は、1,361万ドルです。贈与の年間の非課税額 (18,000ドル) を超えて、かつ贈与税・遺産税の生涯非課税枠 (1,361万ドル) を超えた場合に、贈与税を支払うことになります。実務では、年間の贈与の非課税枠 (18,000ドル) を超えた贈与があった場合にForm 709で贈与税の申告を行います。この申告を行い、生涯非課税枠から課税分の贈与額を減じて、記録をとっていくことになります。
遺産税の申告書作成
米国にある財産を相続した方(被相続人)の、遺産税の申告をいたします。
日本で相続税の申告が必要な方には、日本語と英語両方で対応可能な相続税専門の税理士さんをご紹介致します。
また、カリフォルニア州、テキサス州でプロベート(所有資産の総額が州法に定められた一定額を超える場合の裁判所の監視下で行われる遺産分割・相続手続)が必要な方には、日本語対応可能な弁護士さんをご紹介することもできます。